753 雑想ランデブー

お茶と文具と哲学の実践的記録。でありたい。

「小夏日和 ふるさとは、わたしの未来でした。」は、高知の魅力を詰め込んだ静かな作品でした

唐田えりか濱田龍臣主演の本作「小夏日和」は、高知県を舞台にした作品。

高知の美しい景色をたくさん見る事のできる、とても優しい作品でした。

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変わらない風景が嫌いで町を飛び出して以来、二年振りに小夏(唐田えりか)が高知に帰ってきた。
突然の再会に驚く幼なじみの日和(濱田龍臣)に、小夏は悩みを打ち明ける。翌朝、日和は小夏をある場所へ連れていき…。

ストーリー自体は単純で、大きな展開はあまりないのですが、それでも十分な見応えのある作品だと思います。

 

とてもゆっくりとした時間の流れる作品になっていて、都会の喧騒に疲れた主人公・小夏のように、忙しない日常からエスケープして、非日常的な世界で小休止したい人にオススメです。主演の唐田えりかも作品の雰囲気にとても合っていて(もともと彼女はこういうタイプの作品との相性がとても良い)、彼女ファンの方も納得の作品じゃないでしょうか。

 

一番の見所は先ほども述べたように、作品の舞台となっている高知県の魅力的な景色が詰め込まれた情景描写です。とにかく行ってみたくなる美しい景色ばかり。主人公の小夏が嫌いだと言った高知のずっと変わらない風景は、変わらないからこそ昔の面影を残していて、作品全体に良質な空気感を漂わせてますね。

 

この作品、もちろん出てくる景色どれもが良いんですが、これ、ただ漫然と良い景色をカメラに収めているわけじゃないんですよ。ひとつひとつかなり構図にこだわって撮っていると思います。物語に合わせたシーン選びと、そこで演者をどう撮るのか。これだけ展開の少ないストーリーで作品の中に情緒に出せているのは、撮り方によるところが大きいと思います。

 

唐田えりか演じる小夏は「写真を撮るために帰ってきた」と作中でも言うようにカメラを常に持ち歩いていますが、実際に現場でも唐田えりか自らカメラを手に景色を撮っていたそうで、その写真はエンドロールにも使われています。どれも、味があってとても良いですね。

 

濱田龍臣演じる日和のセリフ、

変わろうとしうき、ずっと変わらずに居れるがや。

これがこの作品全体に圧倒的な意味性を持たせています。

実際に観るとわかりますが、本当に波のない穏やかな作品なんです。だけど、何か感じるものがある。それは《動的平衡》と呼ばれる、このセリフに代表される大きなテーマ性があるからです。

変わらないために変わり続ける

高知の大自然から感じられるのは、1年で全てが入れ替わる、僕たち人間をかたどる細胞とも同じバイオリズム。

みんなが知っているはずの、だけど忘れがちなとても大事なことを、この作品を通じて感じることができます。

 

制作に関しては、ニューヨークフェスティバル金賞などを受賞した、「つくるということ」のカンテレ技術スタッフの再集結となっています。「つくるということ」はファッションブランド「ミナ ペルホネン」で使われる生地制作の過程を撮影した作品で、語りは蒼井優が務めています。カンテレのドラマは優しい雰囲気の作品が多いみたいですね。

 

僕は最近唐田えりかがとても気になっていて、彼女のインスタを観ていてこのドラマを知りました。これからカンテレにも注目していこうかな。 リトル・フォレストカモメ食堂のような静かな映画が好きな人、忙しない日常から現実逃避したい人におすすめです。カンテレドーガのサイト又はアプリから10月14日まで無料配信中ですので、是非。

 

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