753 雑想ランデブー

映画、音楽、考えごと。カルチャーと哲学の実践的記録。でありたい。

パリの深夜、タクシーで

お決まりの質問は煩わしい。

 

 

「いくつ?」「どこ住んでるの?」「大学どこ?」「恋人はいるの?」

 

ほんとに知りたいの?

 

初対面の人にこの手の質問をぶつけてくるのは日本人特有だって言ってる外国人の話を聞いたことがある。

実際のところがどうなのかは知らないけど、それぞれの文化圏で定番の質問はあるのかもね

ある時を境に定番化する質問もある。

「震災の時何してた?」とか

誰しもに共通する話題はそう多くないし、その意味では貴重な話題なのかもしれないけど、なんかやっぱり使い古された感というか、無難に逃げてるというか。

楽しい時間を過ごすために、お互いのことを知り合う必要は必ずしもないじゃないかと思う。

 

 

一応、自分だったらなんて聞くかな。なんて考えたりしたけど、ここまで突飛な質問は思い浮かばないなあ。これってフランスでは定番なのか?

 

マイケル・ジャクソンが死んだ時、どこにいた?」

 

原題も

「Where were you when Michael Jackson died」

オシャレな映画。

 

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『映画は長さではない!』との思いから、国際短編映画祭 「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」が厳選した ショートフィルムを、オンライン上で無料公開している。

 

 

今回はその中から「パリの深夜、タクシーで 」を見た。

【あらすじ】
クリスマスの数日前。見ず知らずの男と女が同じタクシーに乗り合わせる。二人の行き着く先とは一体?

【解説】
満月のパリ、夜道を歩く女のあとを男がついてゆく・・・というと怖い話と思われるかもしれないが、明るくて、ちょっぴりウェットな一本。原題のマイケル・ジャクソンというパワーワードに負けないほど絶妙なユーモアの会話劇はもっと見ていたくなるほど。パリの寒さを感じながらも、オトナな駆け引きに心温まる作品です。

 

短い作品なのにすごーく見終わってからの余韻が長くてしかもそれが心地いい。

良い音楽が流れる中、3人とも笑顔で終わるのも印象的。

 

下に英語字幕、横に日本語字幕が流れてるんだけど、

最後の方のセリフ、

「have you seen “drive”?」

「運転手はいい」

って訳されてて、

 

その返しも、

「your missing the tooth picks」

「つまようじは?」

になってる。

 

僕もdrive見たことないから分かんないけど、これはたぶん分かってる人の方が楽しめるシーン。

でもここに字幕制作の限界と同時に、面白さを感じた

 

直訳して日本語字幕も「ドライブを見たことあるか?」「つまようじを忘れてる」にしてもよかったんだけど、「つまようじは?」にすることで本来のセリフの意味を殺さずに、日本語訳だけに、よく喋る運転手に静かにしてほしいという皮肉を込めることに成功している。

この方がドライブを見ていない人にも伝わりやすいし、オリジナルの空気感を壊すことなく、むしろ言葉に解釈の幅を持たせることができている。

 

とまあ、無駄な考察をしてみたものの、このセリフの解釈を抜きにしても素敵な作品だし、オシャレな掛け合いが気持ちいい。

 

公開期間は3月1日までのようなので、今のうちにもう一回見ておこっと。

 

 

 

そうそう、ありきたりだけど自分なら

「1000円あったら何する?」

って聞く。

金銭感覚とか趣味とか考え方とか、けっこう個人差があって面白い。