753 雑想ランデブー

映画、音楽、考えごと。カルチャーと哲学の実践的記録。でありたい。

正直者だけバカ見れる

   2020/11/23
 頼んでもないのに相手がしてくれたことはあくまで相手が勝手にやったことだから別にお礼は言っても言わなくてもいい、と思ってることをたまに人に話すとそれはおかしいみたいに言われるが、それはその人が勝手に「相手は暗黙のうちに自分にそれをを要求している」と感じたから何かしてやろうかなどと勝手に配慮する気になっただけであって、少なくとも僕は「頼まれてもないことはしなくていいし、僕も頼まれてもないんだから何もしません。僕は勝手にあなたの分もやってあげるかもしれないし、あなたが僕の分までやってくれるかもしれないけどそれはあなたの勝手でしょ」と思ってるから、社会はもっと僕みたいな人間も住みやすいように僕に適合してくれよと頼みたくなるよ。


 あーやれやれ阿吽の呼吸だの忖度だの。りゅうちぇるが言ってたよ「どんなに運命の人でも言わなきゃわからないでしょ!」。どなた様も「言葉にしなくても通じ合えてる」話が大好物なわりに人が死ぬと思いを伝え切れなかったと後悔するのが大好きである。今この瞬間から正直であれ。正直であることで起こり得る利益と不利益は、胸に秘められ生まれなくなった利益と不利益とさながらオセロの色彩のような緊張関係にあって、ただ一点口にした言葉が環境や外世界に与えうる影響の数だけが両者を隔てる。偉大な哲学者の崇高な思想も書に記されて初めて意味を成していることを我々は既に知っている。僕らの言わなかった世界はさながら妄想が雲であるように決して手中におさめることができないが、僕らは言った世界からその顛末を清濁併せ飲むことができる。そして僕らは行動の先に倍加した気づきを受容できる。それは愛があれば痛みが薬になるように、これからがこれまでのイメージをガラッと刷新するように、脳のシナプスで火花を散らす。その時初めて、僕らは感謝したいと、そう思い至るのだ。

 

f:id:shimessi:20201123170049j:image

f:id:shimessi:20201123170105j:image