753 雑想ランデブー

映画、音楽、考えごと。カルチャーと哲学の実践的記録。でありたい。

生死の境と接触の散文

親密さが心や体への接触の賜物なのだとしたら、

触れられなかった人が死んで、何も思わないのはむしろ自然なんじゃないか。

そこに悲しみを寄せることは、傲慢なんじゃないか。

意識を際限なく拡張させる脳と、これ以上成長しないちっぽけな身体との、埋まらぬギャップ。


その点、芸能人の死はいつも空虚だ。

触れもさせず、心はいつも一方通行。

映像の世界を通じて、何事もなかったかのように存在し続ける。

それはまるで芸能が不死であることの副産物。

脳と身体の狭間を彷徨う。