753 雑想ランデブー

映画、音楽、考えごと。カルチャーと哲学の実践的記録。でありたい。

「黄金のアウトプット術」は現代人のインプット過多を嘆く

今回紹介するのは成毛眞「インプットした情報を『お金』に変える 黄金のアウトプット術」です。

 

バイト中のおつかい中に毎回立ち寄っちゃうブックオフの店頭に売られていて何の気なしに購入。こういうとき電子決済って財布のひもどころか財布がないからね、緩むのは頭なのかね、買っちゃう。安く買えたから肩にも力入らず、いつもだったら遅読で一ヶ月はかかるだろう分量(全然読みやすい本なんだけどね)をさらっと1週間で読破!その理由は値段だけにあらず!とにかく内容が面白い!タメになりまくりでした。

 

インプットするだけの人が1万人いるなら、アウトプットもしている人は十人にも満たない

 

本文中で成毛氏も述べているように、現代人は真面目な人ほどインプットには熱心であるにも関わらず、アウトプットはおろそかにしがち。なぜかといえば、それはアウトプットを難しく考えすぎているからかもしれません。それか、まだまだインプットが足りないと考えているからか。この本は、タイトルを見て思わず気になってしまった、まさに今これを読んでいるような人にオススメですね。

 

内容は大きく、

<書くアウトプット>

<話すアウトプット>

<見た目のアウトプット>

<インプットソース>

の4つに分かれています。各章ごとにいくつかサブタイトルが用意されているので、サブタイトルだけを追ってもタメになるし、気になるタイトルだけをつまんで読んでもいいかもですね。ただ内容の充実の割にサクサク読めるのでつまみ読みする必要はあまりないと思います。

 

いわゆるビジネス書のようなデザインで、ページ内に活字がびっしりという感じではないです。文体も口語的というわけではないんですが、著者の語り口が伝わる文章になっているので、非常に読みやすいです。この『文章の読みやすさ』というのも成毛氏本人が本文中で触れているように、アウトプットにおける重要なポイントなので、そこはまさに本書からも感じられるようになっていますね。

 

一番印象的だった一節。

SNSで何一つアピールしていない人間は、SNSに存在していないに等しい。

現代ではSNSはアウトプットの媒介としてますます重要度を増していますから、成毛氏も冒頭でSNSについて触れているのですが、ここまでスパッと言い切ってくれるのは気持ちがいいですね。それだけアウトプットが大切だということですが、この一節に代表されるような歯切れの良い核心をついて文章がいくつもあるので、読んでたら嫌でもアウトプットしたくなりますよ。

 

もう一つタメになった点を引用するなら、書くアウトプットに関するコツ、

800字と思うな、100字×8と思え

ですね。文章はテーマや字数などである程度制限を設けたほうが書きやすくなる、と成毛氏は説明しているんですが、字数を決めて書く場合にも、さらにそれをいくつかのブロックに分け、意味段落を構成して書くべきだと言っています。実は僕、今まさにこれを実践して書いてるんですが。すげー書きやすい!800と言われると筆が進まないですが、100字ならツイートより短いですから、楽勝ですね。

 

読むまで知らなかったんですが、この本の著者成毛眞氏、マイクロソフトの社長なんですね!内容の信頼性が一気に急上昇、、、他にもいくつか本を出していて、「大人はもっと遊びなさい」「本は10冊同時に読め!」なんかはもうタイトルからしてそそられますね。この機会に他の書籍にも派生していきましょうかね。

 

はい、このように自分の読んだ本や観た映画、行った場所なんかについて他人の目に触れる形で文章化していくことは本当に大切なようです(素知らぬ顔)。ただ、SNS時代においては誰でも物書きみたいなものですから、文章プラスα何か、その何かに当たるアウトプット技法を習得することが大切だと、成毛氏も言っていました。この本は自分に合ったアウトプット法、プラスα発見の一助になるのではないでしょうか。ぜひ。