「永遠のソール・ライター」展。カラー写真のパイオニアの豊かな色彩感覚
Bunkamuraザミュージアムで3月8日(日)まで開催中の企画展
「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」
に行ってきました。
ライターを知ったきっかけ。
お気に入りに本屋の一つである、
Shibuya Publishing & Booksellers
を訪れたときのこと。
目に止まったのが、
この企画展の宣伝しおりに使われている、
ライターの代表作「帽子」
不思議と促されるようjに手に取り、
思い立ったが吉日ということで以下省略。
詳しいことはホームページに任せますが、
概略ライターと本企画展について私から。
ライターは1950年代にニューヨークでファッション写真家として活躍し、
また晩年には「カラー写真のパイオニア」として、
カラー写真の表現メディアとしての可能性を広げた、
今もなおその全貌が評価され尽くしていない、
稀代の写真家です。
本企画展は2007年に開催されたライターの企画展を受けて、
カラー写真を含む膨大な作品の多くを整理することなくこの世を去ったライターの、
現在進行形で続く「発掘作業」による、
世界初公開作品を含んだ新たな企画展です。
要約するとこんな感じになるでしょうが、
とても説明しきれないのでやはりサイトに飛んだ方が賢明でしょう。
感想
画家としての一面もあったライターの色彩感覚にとにかく脱帽でした。
美術展に行くと毎回必ずポストカードを買うんですが、
今回は3枚。
まず、
僕が最初に目にした作品でもある、
1960年「帽子」
実物を見ても感じるんですよ、
「あれ、これ絵?」って。
でもその感覚こそライターの狙いなのかもと個人的に。
画家らしいというか、
リアルとフィクションの境がぼやける感覚。
ライターの、
「神秘的なことは、馴染み深い場所で起こる」
という言葉も意味がわかる気がします。
それから、
1957年「TAXI」
これなんかまさに現実に対する色彩的な切り取りの典型。
「私はシンプルに世界を見ている」
という言葉を残した一方、
日常の中にどこか謎が潜んでいるような写真を取るのが好きだとも語っていて、
この作品でいえばぎゅっと掴まれたつり革。
語られぬストーリーを感じますね。
そして、
1959年「『ハーパーズ バザー』のための撮影」
ファッション写真家として第一線で活躍していた頃の作品ですね。
ライターにとってファッション写真は、
新たな撮影・表現方法を模索する場でもあったようで、
気を抜いた瞬間を捉える覗き見的手法や、
鏡、ガラスを用いらキュービズム的な作品に意欲的に取り組みました。
この作品も鏡が効果的に使われていますね。
企画展の後半には半生を共にした最愛のソームズを撮影した作品が並び、
耽美的で叙情に溢れた空間となっていました。
ライターが愛を大切にし、また愛について深く考え、
そして愛に対する確信を持って生きていたことが伺えます。
写真だけでなく、哲学についてもかなり勉強になりました。
こういう文章、
慣れてなくて、死ぬほど時間かかったんですが、
経験のアウトプットとして、情報共有として、
こういう記事も増やしていけたらなと思います。
もう少し肩肘張らない文面で、かつ読みやすく書きたい。
頑張ります。