二匹目の金魚
久しぶりに高円寺のヴィレッジヴァンガードに行った。
自分にとってあそこは好奇心とか向上心とかの源で、行くたびに新たな発見に溢れている。
世の中はかなり広くて、自分にとって未知の世界がまだまだ存在しているが、その中には死ぬまで知らなくても問題ないものもけっこうあるよ、ということを教えてくれる。
行く度に大量に品を買う。
昔は雑貨が多かったが最近は本が増えた。
更に最近でいうとマンガが増えた。
僕は長編マンガよりも2,3巻で終わるものが好きで、長くても10巻までには終わって欲しい。
ワンピースとコナンは今でも読み続けているが、この手の長編をいまから読み始めるのはかなりしんどい。時代の流れから言ってもこれからは長編はかなり生き残りは激しくなるだろう
中でも1巻読みきりモノがすごい好きだ。
ストーリーは別になくていい、最近のマンガはエッセイっぽいものも多くて好きだ。
昔はマンガといえば娯楽色が強かったのだろうが、最近は情報発信の一方法という色彩が強いように思う。
じゃあ、
この本は何色が強いと言えばいいのだろう。
「二匹目の金魚」白泉社
「楽園」という漫画誌で連載しているpanpanya さんの短編集で、とにかくどの話も着眼点がすごい。
いや、正確に言えばすごいのは着眼点ではない。
着眼しているのは普段我々がみているものと同じものである。
ただ、その着眼の深度が違う。
普段何気なく見て、素通りしている部分を分析し、深掘り、時に新たな意味を見出し、時に考えさせる。
例えば、引き出しの中の小物に着眼した作品では、その利用頻度と引き出しの中での位置関係について分析している。
こういう“気づき”ともいうべきものが溢れている。
またマンガであるからには絵のタッチが重要だがこの点も魅力の一つ。
この柔らかなタッチから描かれる恐ろしいほど淡々とした非日常、不思議な世界
おかげでけっこう分厚めの本なのにあっという間に読み切ってしまった。
毎日を楽しむ大切さと
楽しみにすることの大切さ
その両方を感じた。